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ナトリウム電池が産業化の爆発的拡大局面を迎える!

リチウム資源価格の変動とサプライチェーンの安全保障ニーズの高まりを受け、ナトリウムイオン電池の産業化プロセスは著しく加速している。最近、寧徳時代、比亜迪、中科海鈉などの企業が相次いでナトリウム電池量産計画を発表しており、技術革新とコストメリットにより、蓄電、低速電気自動車などの分野でブレークポイントを迎えている。 巨頭が競争、産業化プロセスが加速 寧徳時代がリード 世界の動力電池のトップである寧徳時代(CATL)は、ナトリウム電池を搭載した車両を最初に実現し、その第一世代のナトリウム電池は奇瑞QQアイスクリームなどの車種に採用されており、航続距離は252kmに達する。同社は、第二世代のナトリウム電池のエネルギー密度は200Wh/kgを突破し、リン酸鉄リチウム電池レベルに近づくと述べており、2024年の量産化を計画している。 中科海鈉がGWh級生産能力を実現 中科海鈉は安徽省阜陽市に建設した世界初のGWh級ナトリウム電池生産ラインが稼働を開始し、江淮汽車と協力して航続距離252kmのデモ車両を発売した。試算によると、そのナトリウム電池パックのコストはリン酸鉄リチウム電池よりも30%低く、蓄電分野ではすでに商用化されている。 比亜迪、蜂巢能源が参入 比亜迪の江蘇省徐州市にあるナトリウム電池プロジェクトの計画生産能力は30GWhで、A00級電気自動車と蓄電市場をターゲットにしている。蜂巢能源は、最初のナトリウム電池サンプルのテストを完了しており、2025年の発売を予定している。 技術的ブレークスルー:性能とコストの両面で優れている エネルギー密度向上:現在量産されているナトリウム電池のエネルギー密度は120~160Wh/kgだが、次世代技術では200Wh/kgを突破し、リン酸鉄リチウム電池との差を徐々に縮める見込みである。 超急速充電と低温性能:ナトリウム電池は-20℃の環境下でも80%以上の容量を維持し、15分の充電で80%に達するため、寒冷地や短距離の頻繁な使用に適している。 コストメリットが顕著:ナトリウム資源の埋蔵量は豊富(地殻中の含有量はリチウムの420倍)で、原材料コストはリチウム電池の30~50%に過ぎず、銅箔集電体も不要なため、さらにコスト削減が可能となる。 用途:蓄電と低速電気自動車が先行 蓄電市場:ナトリウム電池の長寿命(3000回以上)と低コスト特性により、太陽光発電、風力発電の蓄電に最適な選択肢となっている。国家エネルギー局は、ナトリウム電池を新型蓄電の試験プロジェクトで活用することを推進している。 電気自動車市場:二輪車とA00級車種が最初に切り替わる見込み。雅迪、愛瑪などのブランドは、2024年にナトリウム電池搭載の電動自転車を発売する計画で、航続距離は100km以上に達する見込みである。 業界の声 中科海鈉CEOの唐堃氏:「ナトリウム電池はリチウム電池の代替品ではなく、補完的なものである。蓄電、低速交通などの分野では、ナトリウム電池の商業化速度は予想を上回るだろう。」 機関の予測:GGIIのデータによると、2025年の中国のナトリウム電池の出荷量は50GWhを突破し、市場規模は500億元に達する見込みであり、今後3年間の複合年間成長率は150%を超える見込みである。 課題と展望 ナトリウム電池の産業化は勢いづいているものの、産業チェーンが未完成であること、規模効果が完全に発揮されていないことなどの課題も残っている。業界では、技術革新と資本流入により、2025~2030年にはナトリウム電池がリチウム電池システム以外で重要な一極となり、新エネルギー産業の構造を再構築すると広く見られている。 【結論】実験室から量産まで、ナトリウム電池のブレークはもはや「机上の空論」ではない。コストと資源安全保障によって推進されるこのエネルギー革命は、現実へと加速している。